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ウォロニン小体(woronin body)ってなに?一部のカビのみが持つ特別な器官?

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生物学を簡単に

こんにちは。
発酵学研究者が語る健康とエビデンス管理人の勝瀬です。
今回の記事は麹菌など、一部のカビのみが持つ特殊な構造、ウォロニン小体(woronin body)についてです。
なにそれ?と思うかもしれませんが、この構造の存在が日本と外国のカビ発酵食品を分ける重要なキーワードになります。

麹菌の細胞同士は繋がっている?

以前麹菌のコロニーの画像はお見せしましたね。
下記のようなものです。

ではこれを拡大していくと麹菌はどの様になっているのでしょうか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%93  より引用

麹菌は拡大すると上のイラストの様な構造をしています。
今回お話しするのはこの構造の中でも菌糸体と呼ばれる部分についてです。

まず、麹菌は上のイラストの分生子と呼ばれる部分を周囲に撒き散らす事で増えています。
この分生子が所謂、胞子という訳です。
分生子は周りの環境が整っていると発芽します。

Pacific Northwest National Laboratory – PNNL  より引用

にょろにょろと芽の様なものが丸い分生子から出ているのが分かりますね。
このにょろにょろと出ている部分は先程の菌糸体です。
菌糸体は沢山の細胞がくっついて出来ています。
画像では分かりませんが1つの細胞に一つの緑の丸い光っている核と呼ばれる構造が入っています。
つまり、中心にいる分生子には少なくとも5つの細胞からなる菌糸が生えているという事です。

そしてこの細胞同士がくっついている菌糸ですが、この細胞同士は中心に穴が開いており、中身も繋がっています。

東京大学大学院 農学生命科学研究科 微生物学研究室   http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/Lab_Microbiology/studiesfile/stuWoroninfile/woronin.html  より引用

正に上のイラストの様に真ん中で物質が行ったり来たり出来る様になっているという訳ですね。
でもこの構造には問題があるんです。
例えば一つの細胞がちぎれてしまったり穴が開いてしまうと、細胞同士が繋がっている為、全ての細胞の中身が出て行ってしまう事になります。
では、麹菌はこれをどの様にして防いでいるんでしょうか?

ウォロニン小体(woronin body)が細胞の中身が出ていくのを防いでいる?

ここで活躍するのがウォロニン小体(woronin body)です。

東京大学大学院 農学生命科学研究科 微生物学研究室   http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/Lab_Microbiology/studiesfile/stuWoroninfile/woronin.html  より引用

ウォロニン小体(woronin body)は細胞と細胞をつないでいる穴の近くに存在する球状の構造です。
通常時は特に大きな働きはしていないのですが、細胞に傷がつき、中身が漏れ出てしまう!という危険時に細胞と細胞をつなぐ穴を塞ぐといった役割を担っています。

このウォロニン小体(woronin body)は一部のカビの仲間にのみ見られる構造で、他の生物には存在しません。

カビや麹菌について興味がある方は是非覚えておいてください。

参考、引用文献
東京大学大学院微生物学研究室HP
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/Lab_Microbiology/studiesfile/stuWoroninfile/woronin.html

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