こんにちは。
発酵学研究者が語る健康とエビデンス管理人の勝瀬です。
毎日歩くことを習慣にして健康になろう!などという話をしばしば聞きますが、一体何歩けばいいかはご存じですか?
今回は一日の歩数と健康との関連性の研究についてお話します。
ウォーキングを毎日していますか?

歩くという行為は最も日常的な運動であるとされています。
例えば買い物の際に店内を歩き回ったり、家の中の掃除をしながら歩き回ったりと全く歩かない日はまずないでしょう。
今回紹介する研究はそんな歩行についての研究です。
アメリカ、ルイジアナ州にある ペニントン・ビオメディカル・リサーチ・センター という健康科学専門の研究所に存在するWALKING BEHAVIOR LABORATORY(歩行行動研究室)が出した論文です。
この論文では 837 件の研究論文のデータを信頼度や方法によって取捨選択や分析を行い、まとめています。
各年齢層の平均歩数は?
今回の論文では各年齢層における平均歩数が示されていました。

How many steps/day are enough? For adults Tudor-Locke C et al. 2011 より引用
この図から日本語で何点かまとめると
6-11 歳の少年 13,000-15,000歩/日
6-11 歳の少女 11,000-12,000歩/日
12-19歳 10,000-12,000歩/日
20-65歳 7,000-8,000歩/日
健康な65歳以上 7,000-10,000歩/日
となります。
あなたは平均と比べて歩けていましたか?
最近ではスマートフォンに歩数計機能が付いたものなども出ていますし、目安として毎日歩数を把握しておくことをお勧めします。
では、次の項で一体一日何歩歩けばよいのかをご紹介致します。

毎日何歩歩くと一体どんな健康効果があるの?

女性では1日7,500歩以上歩いている人は、5,000歩未満の方よりも、うつ病の有病率が50%低いというデータがあり、男性では12,000 歩以上歩いている人は 5,000歩未満の人よりもうつ病の有病率が 50 %低いという報告があります。
男性は女性に比べて外仕事をしている方が多い為か、歩数が多めに出ていますね。
それを考慮すると男性でも10,000歩程でうつ病の有病率が低下するのではないかと推測されます。
また、93人の女性を対象にした一日当たりの歩数とBMIの関係の実験では
5,000歩未満の人より5,000-7,500歩の人の方がBMIが低く、それよりも更に7,500-10,000歩の人の方がBMIが低く、更にそれ以上に10,000歩以上の人の方がBMIが低いという結果でした。
つまり、歩数とBMIの関係のみでは、ある程度まで歩けば歩くほどBMIの改善には良いという事です。
更に他の研究では一日5,000歩未満の人ではそうでない人と比べて心臓病のリスクが高く、また血中脂質濃度も高いという報告がありました。
では一体何歩歩けばいいのでしょうか?
様々な論文や、公衆衛生学会の発表を参考にすると男性では一日10,000歩以上、女性では10,000歩弱歩いた方が良いでしょう。

以上、毎日の歩数と健康についての記事でした。
いかがだったでしょうか。
毎日歩くことで健康的な生活を送りたいものですね。
私は毎日通勤を活かして一時間半ほど歩く時間を取っています。
皆さんも時間を上手く利用して沢山歩くようにしてくださいね。
それでは明るく健康的な毎日をお過ごしください。
参考文献
How many steps/day are enough? For adults.
The Relationship between Daily Steps and Body Composition in Postmenopausal Women